
職場の同僚が自分の悪口を言っているのを聞いてしまった鳴海。
結婚に焦った女が、ひと回り以上年下の男子につきまっている、と。
これ以上噂が広まっては困る。
職場で那須田とふたりきりでいるのを見られるとまずい。
そんなことを考えている最中に、那須田に声をかけられたので、
「話しかけんじゃねえ!」
強い口調で拒絶してしまう。
「とにかくごめん。君は何も悪くないけど、しばらく職場では話しかけないで」
この一件以降、那須田は鳴海を避け始める。
元カレの恨み
元カレ、健太郎から保険の解約のことで連絡があり、カフェで打ち合わせすることに。
先日の気まずい別れの話になる。
鳴海 「そちらの意図はなんとなくわかってるから。
結婚に焦った元カノが今更ワンチャンかけて連絡してきたから、ちょっとおちょくってやるか。」健太郎 「その通りだ。すまん。」
鳴海 「変わってないね。嘘つかないところ。謝るところ。
でも昔は人をからかって笑うような人じゃなかったよね。」健太郎 「そうでもしないと俺も気が済まなかったんだ。
俺たちが別れたのは、そう、お互い忙しかったから。でも俺はお前のために時間をつくろうとしてたよ。
お前はどうだ?
時間があっても俺に使う気なかっただろ。自分のことを時間の無駄扱いしてたオンナが今更すり寄ってきたら笑ってやりたくなるだろ。
・・・
(急に敬語)でも山口さんは本当に保険の話をしただけだったんですよね。」
15年前に健太郎が組んでくれた保険は、返戻金が保険料を上回る良い保険だった。
さらに、当時の鳴海の話を覚えていて、今は猫を飼っているではと想像し、ペット保険を薦めてくれた。
鳴海は健太郎の誠実さに感動する。
健太郎 「今つきあってるやつとかいるのか。」
鳴海 「いないけど。」
健太郎 「・・・そうか。
(見つめ合うふたり)
・・・
俺は結婚してるけどな。
ハハハ、やっとスッキリした。」
一瞬、期待してしまった鳴海、激しく赤面。
那須田との関係修復を誓う
(鳴海独白)
わたしは無自覚に健太郎を傷つけてた。
家族には雑な対応をしてもどうにか許される。
めったなことでは縁が切れないイージーモード。けど他人にそんな雑な対応をしたら、15年経っても忘れないほどの遺恨になる。
家族を持たない生き方は、他人との関係だけ生き延びるハードモード。
雑な意識のままじゃハードモードのステージをクリアできるわけない。やはり、那須田くんのことを放置してはいけないんだ。
しかし、那須田に話しかけても無視される日々。
理由がわからない。
(鳴海独白)
無視されるとけっこう傷つく。
無視って暴力なんだな。
けど暴力には屈しない!
ガンジーを崇めているからな。
闇落ち那須田
久しぶりに那須田が話しかけてきたと思ったら、様子がおかしい。
那須田 「山口さんうれしいんでしょ、いつも通り俺にバカにされて。
一日中俺のこと考えてましたよね。
一日考えて何か気づきました?」鳴海 「いや、、、はっきりとはわからなかったけど那須田くんの気に障ることをしたんだと思う。
那須田くんの複雑な家庭環境が関係してるのかなって。」那須田 「複雑ってなんですか。
いい加減なこと言わないでください。
山口さんが悪気なく人を不快にさせるのは山口さんの無知と想像力の欠如が原因なんですから。」鳴海 「…虐待されていたとか?毒親とかDVとか。」
那須田 「適当に単語並べたらこっちが説明してくれると思ってます?」
鳴海 「そういう君だって相当ひどいこと言ってたよね。
わたしじゃなくても怒るよ。」那須田 「山口さんにしか言いませんよ。
僕は山口さんの地雷を敢えて踏みに行ってますから。
最初から、言われたくないことを言われたくない形で、できるだけ傷つくように言ってました。」鳴海 「なんで敵意を向けられなきゃいけないの?」
那須田 「…逆です。
ほんとはもっと違う言葉をかけるつもりでし た。
でも気づいたんです。俺は親しくなるための優しい言葉を教えてもらってないって。
気づいたら思いきり罵倒してました。相手にいきなりでかい傷をつけて、そこに無理やり入り込んで居座る。
それが親に教わったコミュニケーション方法です。悔しいです。
はじめて仲良くなりたい人を前にして、親の真似しかできなかった。
でもそこで諦めませんでしたよ。
趣味を合わせたり知ってることを教えたり、真っ当に仲良くなれるよう努力しました。
信頼を感じられるようになった。
でも勘違いだったみたいです。
突然拒絶されましたから。結局取り繕ってみても山口さんみたいな普通の子には、自分が変な家の子だってばれちゃったのかな。
そう思ったらまたやっちゃってました。
親の真似。
無視。嫌なことを言われなくなってほっとするはずなのに、なぜか不安になる。
見捨てられたような気分になって自分が悪い気がしてくる。
そんなときに声をかけられるとそれがどんなひどい言葉でもなぜかうれしい。
相手に感謝すらして、この人の機嫌を損ねないようにしようと誓う。なんでわかるか?
昔よく同じ気分にさせられてましたから。
すごいですよね、このやり方。
今までずっと山口さんの気を引こうとしてたのに、
あっという間に山口さんの方が俺の後を追うようになって、顔色を窺うようになった。
そりゃおもしくて何度もやりたくなりますよね。でも俺は全然おもしろくないです。
そんな怯えたような顔させても。複雑な家庭、毒親、虐待、DV。
山口さんが具体的にそういうことを考えられないのは自分に関係ないと思ってるからです。(鳴海の手首を強くつかんで)
でもそういうものの産物である俺にいま山口さんは執着されてるんですよ。
対岸の火事と思ってるものは割と近くで燃えてるし、いまあなたに燃え移ってますよ。山口さんは危険というものに鈍いので以後気を付けてください。
さよなら。」
(葛藤する鳴海の独白)
震えが止まらない。
これが虐待の連鎖?
まさか自分がナチュラルにカジュアルに巻き込まれてたなんて。恐い。
もう関わらないようにしよう。
でも何度も助けてもらった。
それでいいのか?どれだけ男女同権になろうとも肉体的には女は永遠に弱者。
弱者が強者にできるのは我慢?逃亡?
ほんとにそれしかないのかな。
母・雅子の処世術
葛藤する鳴海は母に相談すると、母が語り始める。
「会社ではお嬢ちゃん扱い。
セクハラはコミュニケーション。
下に出てるうちはかわいがられるけど、ちょっと意見したら急に高圧的になる。でもね、相手見てからんでくるやつはザコだから。
ザコは強そうな格好してるやつには絡んでこない。
ヒップホップスタイルのときはぶつかられたり舌打ちされたりしないもの。クソザコはゴツめのアクセひとつあれば寄ってこない。
結局、一番の問題は、そういうやつらを寄せ付ける自分自身のにじみ出る弱さなの。そこで導き出した答えはタトゥー。
タトゥー入れてる女やぞと思うだけで毅然とした態度がとれる。でもね、これはあくまで防衛手段。
基本は逃げるが勝ち。
強い相手に向かって行くなんてバカがすることよ。でもね、逃げるは役に立つけど、後悔にはなる。
(光子のことを思いながら)バカでもいいからあの場で言い返しておけばよかった。
30年経った今でも後悔してる。
でもしょうがない。
このまま死ぬまで後悔するしかない。
だって相手は死んでるんだもん。でもアンタはまだ選べるんじゃない?」
鳴海、母のアドバイスに奮い立って、那須田を自宅に呼びつける。
おばさんの遺品、ゴツい十字架ネックレスを身につけて待ち構える鳴海。
サトシ妻の豹変
鳴海の実家にて。
鳴海の父は、終活の一環として、家を売って介護マンションに入る相談を息子のサトシ(鳴海の弟)にする。
家を売るのを断固嫌がるサトシ。
父の終活が鳴海の影響だとわかると、ますます感情的になる。
「お姉ちゃんは自分が親の面倒見たくないからそう言ってるだけなんだよ。
昔からそう。
結婚もしないで好き勝手ふらふらして、親の世話もしたくないって、どれだけ自己チューなんだよ。」
さらに鳴海が実家に連れてくる那須田の話に発展。
鳴海よりかなり年下の24歳、都の職員、しっかりした好青年。
サトシは、年下男を追いかけている鳴海のことを、みっともないと一蹴する。
母が、むしろ那須田の方が鳴海に好意を持っていると伝えると、
突然、長男の妻が恐い顔になって、
「…ないですよ。
…そんなのなしですよ。」
嫁と小姑のバトルは雅子&光子では終わらず、次の世代でも勃発?
鳴海の反撃、始まる
その頃、那須田は鳴海の家に上がらされ、落ち着かない様子で座った。
鼻息の荒い鳴海がついに語り始めた。
「君は思った以上にやばいやつだ。
これ以上かかわりたくない。
だがその前に借りは返したい。
いろいろ知らないことを教えてもらったし、親の意識は娘のわたしが言っても変わらなかったと思う。
それに、あのとき君にかまされなければ無意味な婚活を続けてるかもしれない。
その点では感謝している。が、同時に君にはさんざん言い負かされてきた。
正論だから言い返せなかったけど実はクソムカついてた。
今度は私が論破する番だ。人は何度か論破されるとこいつには口じゃ勝てないと思うようになる。
抵抗力がなくなる。
正しいことを教えてもらえるから自分で考えなくてもいいやと自我と思考力がなくなる。君はいつも正しい。間違っているのはわたし。
君に無視されるようになったとき、わたしが悪いことをした前提になってた。
どうかしてた。わたしが悪いせいで、君は親譲りのモラハラムーブをするハメになった。
でも君はなんでわたしがあんなことを言ったのか聞こうとしなかった。
君は自分に都合の悪くなりそうな話は聞かないスタンス。
それはなぜか。
わたしの行動に正当性があったら自分の優位が崩れるから。
一挙一動支配する気しかないじゃん。こわっ。でも、本当は君のご両親、言うことに説得力のある立派な親なんじゃない?
だから君はいつも自分が悪いと思い込んでたんでしょ。今の私みたいに。
となれば完全に負の連鎖。DV英才教育を受けた、もはや化け物、という設定でいきたいみたいだけど、
残念でした。わたしさ、君に言われるまでまったく気づいてなかったわけよ、君の支配行動に。
なのに、なんで自分からネタバレした?食い殺そうとしていること、食い殺し方、その理由すべてを丁寧に説明。
親切か?
それでも獲物はビビり倒して思考停止。
それなのに、キャッチアンドリリース。
しかもワンポイントアドバイスまで。
親切か?人間は追い詰められたときに本性が出るっていうよね。
君の本性は、メンヘラモラハラDV野郎、になりきれない、ただのいい子。
本当はただのいい子のくせに、自分は呪われし一族に生まれ、人身掌握術を叩き込まれたサイコ野郎だと言い張る感じ、
一般的になんて言うか知ってる?厨二病!」
(続く)
個人の感想
那須田、母・雅子、そして鳴海。
長台詞が多くて、全セリフすばらしくて、圧倒的な回でしたね。
雅子のゴツめのアクセ理論、目からウロコでした。
少しずつでも取り入れてみようと思います。
そして、那須田くんは完全に告白してますよね。
鳴海、早く気づいてあげて。
とはいえ、那須田くんのワードセンスは恐すぎます。
残すところあと1話。
楽しみです。


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